
アーティスト、俳優、モデルなど、様々なジャンルで活躍する方々にヤンチャグッズをデザインしていただく企画「あいつのヤンチャグッズ」。
第1弾には、ラッパー/俳優の「般若」さんが登場。選んだ作品への想いや、自身のヤンチャエピソードを交えながら、今回のグッズデザインについて語っていただきました。
──企画名の「ヤンチャ」にちなんで、般若さんの過去のヤンチャエピソードがあれば。
般若:失敗談しか言えないんですけど……。20年ぐらい前、まだパソコンとかが普及してない時代に、エッチな本にテープが貼られ始めた時期があったじゃないですか。あれ、片手で破けます。しかも見ないでいけます。だいぶタチ悪いですよ。20年前って言っても俺、当時25、6とかですから。証拠は残ってないんで。
もう一つ、これは俺じゃないんですけど、つい4日ぐらい前の話で。うち犬いるんですよ、今4歳ぐらいなんですけど。お風呂に入れようとして、何回か入れてるんですけど暴れちゃって。もちろん向こうも全裸だしこっちも全裸でいったんですけど、暴れて、僕の男性器をひっかきやがって。俺がヤンチャなんじゃないんですけど、負傷したんですよね。でも大丈夫です、気合で。夜は相当痛かったっすね、本当に。俺じゃないんですけど、ヤンチャされたエピソードですね。
──般若さんが一番最初にヤンマガと出会った時のこと、覚えてらっしゃいますか?
般若:中1、中2ぐらいですかね。友達の兄ちゃんが読んでたのを見て、そこから入りました。『代紋TAKE2』にハマって、『BE-BOP-HIGHSCHOOL』もそうでしたね。まだ表紙が全部グラビアじゃなくて、キャラクターだった時代です。そこから一色紗英さんとかが表紙になり始めて、みんな読み始めた流れだったと思います。
──早い方ですよね。それまで読んでいた漫画雑誌とはちょっと違う、背伸びした感じでしたか?
般若:そうなんですよ。みんな想像つくと思うんですけど、月曜発売のあの分厚いやつからまず入って。だんだん大人になっていく中で「この作品面白い」みたいな感じで読んでたっていう感じですね。

──般若さんが最初に『ザ・ファブル』に言及されたのは2019年の楽曲『百千万 (Remix) feat. 般若 & ZORN』のリリックと記憶しています。
般若:そうですね。ただ「ファブル」について語る前に、『ナニワトモアレ』からちょっとだけ触れさせてください。第1話からずっと読んでたんですよ。絶対通るじゃないですか、通ってないわけがない。あの流れで平成初期をずっと描いていて、終わった時の喪失感もすごかった。そこから「ファブル」が「現代の話」だと発表された時、一旦全員ゾワッとしたと思うんです。え、南先生が現代書くの?ってなるじゃないですか。それまでずっと平成初期を見させられてたんで。そこから現代が舞台の第1話読んだ時にはもう期待しかなかったです。助走が長かったんですよ、俺らからすると。
──『ザ・ファブル』のファーストインプレッションは覚えてますか?
般若:1話目はまだ全体を掴ませてもらえないんですけど、これからすごいことが起きるんだろうなって期待しかなくて。回を重ねるごとに、ゆっくりではあるんですけど外堀から埋まっていくような感覚があるんですよね。気がつくともう完全に惹きつけられてて、「なんなんだこの主人公」って感じで。追わざるを得ない状況を作らされて、少しずつ周りの人間が出てきて、世界観がパズルみたいに揃っていく。あの感じにやられましたね。てかやられたなって感じです。話が進む時のスピード感もすごくて、2ページ丸々使ったと思ったらいきなり1回戻される。え、今何が起きたの、みたいな。あの「やられたわ」っていう感じがたまらないですよね。

──リリックでも佐藤明にある種共感されてる部分があるのかなと感じたんですけど。
般若:俺のラップとかどうでもいいんですけど、要所要所で拾いたくなるワードとか、取り入れたくなる作品なのは間違いないですね。「ファブル」読んでないラッパーはいないと思いますよ。
──TVアニメ版の主題歌で客演された時も「プロ意識」がキーワードだったんですか?
般若:そもそもALIから話をもらって、断る理由が1ミリもないじゃないですか。もう秒で即決して、あとはどこに言葉を入れるかで、ワードについて話し合いながら作っていった感じです。
──南先生とはご交流あるんですか?
般若:お会いしたことはないんですけど、アニメの時に佐藤明の絵と名前でサインをいただいて、それは僕の部屋にしっかり飾ってあります。家宝ですね、間違いなく。南先生はほぼメディア出演をされないですけど、その存在でいてほしいですね。単行本のあとがきには筆者の気持ちが書いてあるじゃないですか。あそこが大事だと思ってるんですよ。電子だと味わえないですよね。手に取ってちゃんと読みたいなって思う人間なので。
──他にも何か『ザ・ファブル』について言っておきたいことがあれば。
般若:もう終わりを決めて作ってらっしゃるじゃないですか。だからどういう風に最終回を迎えるのかって。全部が繋がっていく作り方をしてるので、終わる前にもう一回全部読み直して、自分の中でちゃんと繋げて最後を迎えたいなって感じですね。楽しみです。本当に大好きですね。

──今回の『ヤンチャグッズ』を作って頂く際に、般若さんには新たに4つのシーンをスタンプとして選んでいただきました。
般若:本当にいろんなとこと迷ったんですよ。「ペ・ダイヨチャ」とかも選びたかったんですけどね。
まず一つ目はこれです。

洋子とクロちゃんが明になぜかタイマンを挑むみたいな、この未来を想像できたっていう感じの。割と「ファブル」のイメージってこれが強いですよね。わかりやすさの部分ではこれでした。
もう1個がこれ。クロちゃんが裏社会で生きていきたいみたいな時のこのセリフ。

ここの明は特に感情がないけど、裏側には多分これ、優しさだと思うんですよね。これも候補にあげさせてもらいました。
あと、やっぱりこれもありました。

すごく好きなシーンなんでみんな好きだと思うんですよね。洋子はやっぱいいですよね。
それで最後がこれ。

──それは小島が始末される直前のシーンですか。
般若:そうです、そうです。小島についてはしっかり話したいんですよね。
僕の中で「ファブル」を考えた時に、実は一番常識持ってんのって海老原なんじゃないかって思ってて。海老原が出てくることで世界のベースを作ってくれてるんですよ。反社のヤクザの若頭っていう肩書きを置いといて、海老原っていう一人のキャラをちゃんと見ると、めちゃめちゃ常識持ってるんです。割とちゃんとしてるのこの人だなっていうのがあって。明とか洋子は違う世界から来てて、他もちょっとポンコツだったりするじゃないですか。海老原がいなかったら結構この「ファブル」は難しくなってくるなっていう世界があって。
で、小島がいるじゃないですか。個人的に小島のことめちゃめちゃ好きなんですよ。時間が止まっちゃったイケイケなやつっていう、この現代の枠にまだついていけなかったっていうやつがいて。でもそれでも海老原は、自分の弟分だからどうにかしたいっていう気持ちがあって。小島が最終的に明にやられて、さらわれて、目を覚ましたっていうのがこの絵なんですよね。
小島にとってはそれでも兄貴分の海老原に愛があって、ただ明の正体もこの直後ぐらいに分かってっていう。小島がこの世の中で最後に見た景色の数秒前ぐらいがこれなんですよ。だからこの後、結果としてめちゃめちゃ悲しいことが起きるんですけど、この後のことが起きて、「ファブル」ってめちゃめちゃ話動いたなって思ったんですよね。だから最終的に僕はこれを選ばせてもらったっていう感じですね。
海老原のやっぱ人間性、その絶対かばいたかったんだろうな、でもそういう一個人の感情とかじゃない世界なんだろうなっていう。明も悲しい気持ちは絶対あるし、単純に目覚ましてこの世界って嫌じゃないですか。でもこれ表情とか含めてすごく好きです。なんで選ばせてもらいました。


般若:小島ってなんか嫌いになれない部分があって。でももういやこいつ絶対悲しい未来しかないでしょって途中からわかるじゃないですか。言っても聞かないんだから。まあそうなんですよね。やっぱこのシーンはすごくずっと残ってるシーンですね。頭の中でも。
デザインについては、前に何も入れてないじゃないですか。必要ないなと思って。「ファブル」って入れなくていいと思ってるんで。これしかないと思って、シンプルに背中に一面でドカンと。インパクトしかないですね。個人的にこれパーカーも欲しいなって今思いました。
──背中で語るみたいな。
般若:これは背中でしょうっていう。黒の方が良かったなと思って。これ買うでしょ、いいですよね。
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